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22歳 4月 vol.33

笑顔
『お顔を上げて…そして笑顔を作りなさい!
私の瞳を見つめ続けなさい。
よろしくて?』

『はい』

薄暗いお部屋でも、奈美様の瞳は輝いておいでです。
汚いものなど見た事も無いように澄んだ瞳で…
惨めな姿に拘束されたボクを見下ろしていらっしゃいます。

《美しい…》
汚れを知らない瞳の奥から…
優しさが零れようとした瞬間でした。

《シューー!バシッ!》
空気を切る音と炸裂音が響いたのです。
奈美様は満面の笑みを讃えておいででした。
ボクは…
睾丸に授かる鞭の痛みに笑顔を無くし…
絶叫のおたけびをあげていました。

《ギャァァー!》

油汗をかきながら必死で耐えていると…
再び奈美様はおっしゃいます。

『お顔を上げて、笑顔を作りなさい!』

『は…ぅぅ…いぃ…!』
すると再び…!

《シューー!バシッ!》

《ギャァァー!》

お尻やペニスを叩くほどの強さではありません。
奈美様は加減してくださっています。
ですが…睾丸への痛みは特別です。



『なぜ私がおまえ睾丸を打っているのか意味がおわかり?』

『ぅぅ…わかりません。ペニス様と同じように…ぅぅ…
躾をしてくださるのでしょうか?ぅぅ…』

『ここだけは、私達女には理解できない痛みなのでしょうね?』

『ぅぅ…は、はい…ぅぅ…』

『私も女として痛みましたの…その償いをおまえにして欲しいの。』

奈美様は呟くようにおっしゃいました。

『ぅぅ…はい…ボクの為に…ぅぅ…奈美様が傷ついたのなら…ぅぅ…
誠心誠意の償いをいたします…償いをさせてください!』

鈍い痛みは後を引きます。

『一度だけ…一度だけでいいわ。
笑顔で私の目を見つめながら…
睾丸打ちを受けてちょうだい。』

《それは…それは…無理かもしれません》
心の中で拒否しようかと思いました。
しかし、その言葉を口になど…。
今のボクには許されません。
黙っていると…

『先程ね。奴隷達がいるように見せ掛ける為に…
ソーセージを踏んでわざと潰したのはおわかりね?』

『はい…ぅぅ…数々のお手数をおかけしました。
ぅぅ…奈美様のお優しいお心遣いで…ぅぅ…。
今また御調教を授けてくださって感謝しています。』

『そう…わかればいいの。
でも、もう一つ…もう一つ…とても恥ずかしい事をしましたの。おわかり?』

《もう一つ…?
もう一つと言えばあの音!
疑問に思ったあの音?
あの音が恥ずかしい?》

『は、はい…ぅぅ…ご奉仕の時でしょうか?』

『さすがにおまえね!淫らな音には敏感ね!ふっふ!
あれはね…本物の私の聖域の音ですわ!』

奈美様は恥らい、真っ白な肌を赤く染められたように見えました。

『えっ!聖域…?』

『えぇ!おまえを信用させる為。聞こえてくる場所、音、気を使いましたわ!』

『そ、そんな!えっ!』

驚きました。あの時、ピシャピシャ音を立てていたのが…
奈美様の聖域の音…聖域を濡らす聖液の音だなんて!
ボクの理解させる為に…
ボクが鈍いばかりに…
奈美様のお手を患わすのも限度があります。
寄りにも依って神聖な奈美様の聖域を…
ご自身の手でお触りいただいていたなんて…。
全てはボクを躾ける為に…

驚きと、取り返しのつかない失態に、睾丸の痛みは飛んでいました。
そしてあまりの申し訳なさに、今度はボクの顔が真っ赤に染まりました。

『脚を開いて、聖域を触りましたの。
ペニス様を見ながら…たっぷり濡らして…』

『奈美様!おっしゃらないでください!お願いです!
どんな罰でもお受けしますですからどうか…
奈美様のお口からそのような…。
申し訳ありません!本当に申し訳ありません!』

『どんな罪でも?ならばまだ聞きなさい!』

辛かったです。
女王と崇め、お慕いしてやまない奈美様が…
この愚かなボクの為に…
自慰の真似事までさせてしまうなんて!
恥ずかしい事です。
奴隷として絶対にさせてはならない事です。
恥ずかしくて奈美様のお顔が見られません!

『お顔をおあげ!私の目を見つめなさい!
おまえの罪を理解なさい!おまえは罪深い奴隷です。
本来であれば捨てられても文句を言えない立場。
それでも敢えて、私は見習い奴隷としての調教を続けると言っています。
それが何故かわかって?』

『は、はい…奈美様の…一番の…
ご自慢の奴隷になると…ボクがお誓いしたからでしょうか?』
ありがたさと申し訳なさ…再び号泣してました。

『そうね。それも一つ。もう一つは…
おまえが見習いを卒業できたらお話しましょう!』

『はい!必ず…卒業…して、立派な奴隷になります。』

『おまえは罪深い!
その事実を理解して、今のうちに心と身体に焼き付けるのです!』

『ぅぅ…ぅぅ…』(号泣)

『おまえにわからせようと…
目隠しをしているとはいえ、私はおまえの前で自慰をしました。』

『…申し訳ありません…』

『立ったままスカートをたくし上げ…
下着に手を入れ…
聖域に指を入れたのです。』

奈美様のお口から語られる真実は…
ジワリジワリとボクのマゾとしての良心に突き刺さります。
奈美様の視線は、《目をそらしてはいけません》と訴え続け…
ボクの視線は瞬きも許されず金縛り状態でした。

『濡れていましたわ。聖蜜で下着までも。
指を聖壺に入れると自分でも恥ずかしいくらいの音が…
おまえも聞いたでしょ?』

『は…はい…』(号泣)

マゾ良心の呵責に苛まれます。
《ボクは…最低だ…最低だ…奈美様に…どんなに詫びても足りません!》

『おまえの罪は重いわ!
御主人様である私に…あんな恥ずかし事を…。
今まで一度でも、人様の前で自慰などした事なくてよ!
あの時、おまえの答えが遅かったら…おまえの前で果てていましたわ!
これが私の痛みですわ。』

ボクの目を見つめ、お優しいお声で、切々とボクに訴えかけます。
まるで催眠術にかけられているかのように…
マゾの良心を確実に射抜いていきます。
これが奈美様独特の洗脳の儀式です。
このような状態が続けば…
例え些細な日常でさえ、重罪の意識に苛まれます。



これは…。
Sの方の半数が先天的に持っておられる能力です。
その才能を認識できるのが3割。
使いこなせるのが2割弱。
この方が本物のSです。
この方は愛情に満ち溢れています。
2割の方も、マゾ(パートナー)に依って開花します。
残りの3割の方は、才能が無いと諦めるか、相当の努力が必要です。
もっとも相当の努力をしていても、本当のマゾは人を見抜きます。
あなたではない新しい御主人様を、密かに探しているかもしれません。
実は…マゾでありながらボクもこれが使えます。
ただし、相当な精神面での負担になるので滅多なことでは使いません。
ボクの中のマゾが、これに拒否反応を示すのです。

これを見ると…
Sの方に出会うのは至難の業にも思えます。
しかしながらSの方も、本物のMに出会うのは至難の業なのです。
要は本人達の努力次第。
待っていても幸運はやってきません。
出会えなければ、努力が足りないだけです。
努力すれば必ず出会えます。



この夜の奈美様の洗脳は凄まじく…
ボク自身がゴミと呼ばれていた立場からの解放。
また奈美様に対する自責の念が好材料となり、より深い洗脳へと導かれます。
もっとも…ボク自身が先天的に持つマゾとしての才能を…
もう一段回上に開花させたとも言いきれます。


『申し訳ありません…死んでもお詫びできません!
せめて、せめて1日でも早く奈美様のご自慢の奴隷に成長してみせます!』

せめての罪滅ぼしは奈美様の為に生きる事。
そう思っていました。

『理解できましたのね?嬉しくてよ。
女王に自慰をさせる事がどれほどの罪なのか?
また奴隷にとって、女王が目の前で自慰をする行為が…
どれほどの屈辱であるかを理解なさい!

女王の性欲を管理するのは奴隷の仕事です。
私は自慰などしなくても逝けますわ。
それにはおまえの努力が必要です。
おまえは私の授けるいかなる調教をも耐え、そして楽しみなさい。
命懸けでなさい!
無礼は許しませんわ!』

『はい!』

頭を下げられれば埋まり込むほどありがたい教えでした。
涙が止まらないんです。

『罰を執行します!先程のような鞭ではなくてよ!
私の痛みがわかるのなら私に笑顔をみせなさい!
苦痛の顔や叫び声は、私に対する侮辱です。
1回ですわ!たった1回の睾丸打ちですわ!
失敗は許しませんわ!
見習い奴隷として肝に命じるのです!
よろしくて?』

できるかできないかより、やらなくては…越えなくてはいけない壁でした。
奈美様にお詫びする為に…
いえ!奈美様のご自慢の奴隷になる為には必要な儀式です!


『奈美様!奈美様にご満足していただけるように頑張…
いえ!お願いです!ボクの睾丸に鞭を授けてください!』


頑張ります…その言い方は違うと思い言い換えました。
ボクたち奴隷は頑張る身の上なのではなく、従う生き物なのです。
奈美様はボクの頑張りを見たい訳ではなく、忠誠をみたいのです。
鞭を受けるのではなく授かる立場なのです。

満面の笑みを讃えられる奈美様へ、泣き腫らした満面の笑みをお返しします。
ゆっくりと鞭が下がり、シューーと言う音と共に炸裂しました。
尋常とは思えない痛みにめまいがしました。
ボクは笑顔を絶やさず、奈美様の優しい微笑みの中にいます。
奈美様の美しい瞳が、ボクだけを見つめてくださる幸せ。
叫んだりもしません。喚いたりもしません。
ただただお詫びをしたい一心で、ご自慢の奴隷になりたい一心で…
そして、授かった調教に感謝する一心で奈美様を見つめていました。
《気持ちいい…》
壮絶な痛みの心地よさに意識が薄れます。

『奈美様!ありがとうございます!気持ちいい…』

そう申し上げると完全に意識を失いました。




奈美様は日記の中に…
『このコに間違いなかった。きょうが私の愛する奴隷の誕生日です!』
と書いてくださってました。
専属にしていただいてから、ボクの本当の誕生日は消えました。
ボクの誕生日は4月1日、午前4時になりました。

ボクが気を失うと、奈美様は拘束椅子から下ろしてくださったようです。
ボクを抱き抱える時、あまりの軽さに驚いたそうです(笑)

床に寝せ、ペニスと睾丸を冷やそうとくださろうと、冷蔵庫から氷を取り出され…
タオルに包んで睾丸に付けた瞬間、あまりの冷たさに、ボクは意識を取り戻しました。
ものの10分くらいの気絶です。


あまりの痛さに、意識を失うのは良い事のようです。
肉体の限界を越えると、脳が信号を送り意識を失わせるのだそうで…
まだ調教を授かったばかりで、こうして意識を失えたのは正解のようです。
これも奈美様の御調教の賜物です。
この後、自在に意識を失える技術まで習得できました。
これがボクの限界ですとばかり、意識を失うのです。
自分の限界を御主人様にお知らせするのは、マゾとして必要な事です。
お互いに危険な事にならずに済みますから(笑)

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