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22歳 4月 vol.1

細い糸
あの日…。
『面接のお電話を一生お待ちしています。』
そう宣言してから2週間後に、奈美様からお召しのお電話をいただく事になります。


大学も無事に卒業し…。
入社式を2日後に控えた夜でした。


前回の御調教以来、ボクは何をするにも覇気を無くしていました。
《亡くした》と、言っていいくらいに無気力な日々。
就職してからも続けて行こうとしていたアルバイトは《体調不良》を理由にキャンセル。
食欲も無く、とは言え食べない訳にはいきませんので…
日持ちのするような野菜などをスーパーでまとめ買いして
古い歌の歌詞のように、キャベツばかりを噛ってました。

たった2週間で極端に痩せ(やつれ?)、初めて会った訪問販売の人にさえ心配されました。
もし、お召しのお電話が半年も無かったら、生命の危機(?)だったかもしれません。
肉体的、精神的にもボロボロになりながら、生きていられたのは…
《面接の日まで電話を待ち続けなさい!》
とおっしゃられた、奈美様のお言葉だった気もするのです。

最終的に《ゴミ!》と罵られても…。
0.1%の望みはありました。
《もう一度奈美様にお会いできれば!》
可能性は低くても…望みは望みです。


《精液採取はしなくてもいい…》
《宿題もしなくてもいい…》
そう言われても、奈美様を思いながらレポートを1日に何枚も書き…。
精液採取も1日2回のペースで行いました。
それが唯一の、奈美様とボクを繋ぐ細い糸に思えて…。
ですがその細い糸も…夜になると不安に駆られ消えそうになります。
《ゴミ》と言われた事を思い出し、泣きながら眠れぬ夜を過ごすのです。


《奈美様無しでは生きていけない…》
そんな風に思いながら朝を迎え…。
またデジャブのような引き籠もりの毎日を繰り返していました。



~22歳 4月~
入社式を控える2日前。
3月30日の夜にお電話をいただきました。

『ごきげんよう!お元気?』
胸は高まり、身体が熱くなります。

『は、はい!お電話ありがとうございます。
奈美様もお元気そうですね。先日は失礼いたしました。』

平静を装いながら…
電話の前で正座をし、深々とお辞儀をいたします。

『おまえなど…元気じゃなくてもよろしくてよ。
所詮、おまえはゴミですもの。ゴミに期待はしていませんわ!』

《ゴミ…》
あらためて電話口で聞かされるお言葉は、胸に重く突き刺さります。

『……。』

『あら?ゴミと呼ばれて何も言わないの?それとも言えないのかしら?』

『いや、その…ゴミと言われてしまうのは‥やはり辛いです。』

『仕方ありませんわ。おまえは私の奴隷達の奴隷になりたいなどと平気で言えるゴミですから….』

『そ、それは…』
奈美様のお話を遮り…
《奈美様のお傍に置いていただけるなら、どんな立場でもかまわないと言う意味です…》
と、言おうとしましたが…

『おまえの言い訳を聞きたくてお電話したのではなくてよ!』

お電話口の奈美様は、イライラした口調でおっしゃいました。
先日の御調教で《不合格》の烙印をいただいてから…
奈美様独特の、お伽話をされているような口調は伺えず…。
ボクに対して、常に不機嫌なお話方をされておられます。

『申し訳ありません。』
奈美様の一言一言に冷や汗が流れます。
これ以上の失言や失態は、奈美様とを結ぶ希望の細い糸の破壊につながります。

『私の奴隷がね。おまえを面接するそうよ。最初はかなり嫌がったのですけどね。』

『は、はい』
力なくお答えしますと

『ふっふ、丁度、今のおまえのお返事のように渋々了承しましたわ。』

『失礼いたしました。』

『まぁ、当然よね。奴隷の奴隷になりたいと願うゴミの面接なんて…誰だって嫌がりますわ。』

『はい、お手数をおかけして申し訳ありません。』

『明日の0時よ!0時にあのマンションの調教部屋にいらっしゃい!面接ですわ!』

『は、はい!ありがとうございます!』

《明日の0時…。》
面接のご指定は4月1日の午前0時…。
入社式のある日の深夜。
面接が終わればすぐに入社式に向かわなければなりません。
いや、面接が長引けば…
入社式早々に遅刻、もしくは欠席の可能性もある訳で…。

しかし…ボクは即答で《はい》と答えていました。
迷うことなんてないのです。
ボクの人生を左右するのは、苦労して手に入れた会社の社員の椅子ではなく…。
奈美様の椅子の前に跪ける床の上であり…
例えゴミと罵られようとも、お側にいられれば幸せだと思っていたからです。
お優しい奈美様ですから、おそらくはボクの立場はご存じでしょう。
それを十分理解された上で、4月1日を選んだという事は…。
本当にその日しか、奈美様と奴隷達の時間が空かなかったのかもしれません。
その貴重な日を逃したりすれば…永遠にお目にかかるチャンスは巡っては来ない…。
そんな気がしました。

『即答ですのね?4月1日でよろしいのね?』

『はい!かまいません!奈美様にお会いしたいです。』

『私は…おまえなどに会いたくはありませんわ。
でも…お約束ですからね。
例えゴミとの約束でも、守らなければ私のプライドが許しませんわ。』

《会いたくはありません…》
そんなにまでボクは奈美様に嫌われているのか…
ボクのちっぽけな望みの糸は、粉々になるまで叩きつけられ…
奈美様のプライドを守る為だけにある、目に見えない塵になりました。
さすがにここまで嫌われると、唯一の望みは《最後に1度だけお目にかかれる権利》だけでした。
それも…報われない権利です。

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