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22歳 4月 vol.30

回顧
暗い監禁室。
大勢の人達が生活する大都会の深夜に…
全裸で拘束されて泣いている人間はきっとボクだけでしょう。
入社式前日の夜だというのに…。


監禁質全体に暖房がゆき届いているせいなのか…
お風呂場独特の冷えもなく、縛られた手足を痺れさせながら…
まずは普通の生活から見つめ直していました。


子供の頃の事は…。
このブログの冒頭に書いた事しか…良い思い出が全くありません。
それ以外は…思い出すのも無残で悲惨な過去。
振り替えると、今でも死にたくなります。
なんでこんなツライ思いをしなければならないんだと…
ボクが男だからいけないんだと、自分の性を呪い続けました。
《詳しくは書けません…》

《女のコになりたい…》
そんな想いが、ボクの唯一の救いでした。
悲しみや悔しさを紛らわす為にブルマを履き…
水着、ブラジャー、パンティーを付けていました。
M~回顧録で、女装が趣味みたいな書き方をしていましたが…
正確にはそうではありません。
《女のコになりたい…》
これが事実です。


発育不全(栄養不足)で…
他の男の子と体付き(身長や筋肉のつき具合、体毛の少なさ)も違ってました。
男の性器も大嫌いでした。
男という人種そのものが嫌でした。
これも小さい頃のトラウマが影響しています。
(詳細については書けませんm(__)m)


性的に男であった以上、女装になってしまいますが…
ボクにとっては…
女のコの衣裳(下着や水着くらいしか買えませんでしたけど)
を着るのは極めて普通で自分らしい姿だったのです。


思春期に凄く悩んだのは恋愛でした。
一般的な性同一障害の方は、恋愛対象が男性に絞られるのでしょうが…
ボクは違いました。
自分の性や、男性に対する恐怖症や嫌悪が抜けきれないのです。
女性への憧れ、女性への羨ましさから…
女性を恋愛対象として見てしまう矛盾に悩みました。
自分が医学的に男である事実は拭いようもなく…
やはり男だから女性を愛してしまうのか?
女性になりたい願望が強くなればなる程…
現在男である事への矛盾に悩み続けていました。
そして…女性アイドルに憧れながらの自慰。
ペニスを嫌いながらも、他に性的捌け口を見いだせない悲しい性。
矛盾だらけなのです。


中学生の頃、あのSM誌に出会いました。
縛られている女性に美しさを感じ、サディスチンである女王の姿に感動しました。
再び、幼い頃の思い出に戻りますが…。
みどりちゃんと最初のSMの真似事をした時。
《○○ちゃんはおちんちんがついているから悪いコなんだ!
こんなおちんちんなんかちょん切っちゃえ!》
あの遊びが甦ます。
《ボクはマゾかもしれない》と自覚し始めた頃です。


高校生の頃にSMクラブデビュー。
幾つものクラブを渡り歩き、理想の女王様を探しました。
大嫌いなペニスを痛め付けられ、女性の前で全裸で土下座をしている事が気持ち良かった。
女性崇拝の思いは強く、医学的に男性ならば女性に跪くのは当然の事。
男性の体に生まれた呪われた体を痛め付けて欲しかった。
いつかはペニスをメチャクチャにされて…女のコとして生まれ変わりたい!
そんな風に考えていました。


女王様に仲良くしていただき…
何度も自分の本当の心の中(マゾ女になりたい…)を打ち明けようとしました。
ですが…。
何度か御調教を授かると女王様が退店されてしまったり…。
クラブの女王様全員と仲良くなったのにお店が閉店してしまったりしました。
当時のSMクラブは今ほど恵まれておらず…
情報も少なかったのでこんな事は日常茶飯事でした。
(今でも残っていてちゃんと営業しているクラブもありますけど。)


クラブ通いを続けながら…
今で言うところの《出会い系SM》にも手を出したりもしました。
何人ものS女性の御調教を授かりました。
楽しかった事も、騙された事も数々あります。
しかし今こそは、自分の思いを打ち明けると…
2度とお会いしていただけなかったのです。
ボクの説明不足なのか、話をすると引かれてしまう方がほとんどでした。


お金も時間も注ぎ込み…
4、5件のバイトしたお給料や、私生活を自分の願いとSMに注いでました。
願い…女のコになる為の貯金です。
本当の自分を理解して欲しくて切羽詰まっていました。
ギリギリだったんです。


そんな時、奈美様(本名:レイ様)出会えたのです。
最初から運命を感じました。
赤い糸がハッキリ見えました。
《この人しかいない!》と…。


男性のみならず、女性も憧れる程の魅力。
お美しさ、気品は言うに及ばず…
人格その他、挙げればきりがないくらい立派な女性。
誰からも嫌われず、常にみんなから愛され、常にみんなの中心で微笑む天使。


奈美様に出会って、全ての胸の支えが取れたような気がしました。
一目お会いして奈美様引かれ始めていました。
人間として、そしてマゾとして…。



《おまえが求めるものは何なのか?》

この人の奴隷になりたい…。
そして…。
この人と同じ性になりたい…。
この御方の前なら、本当の自分の姿を曝け出せる。
この御方と一緒なら、今までの暗い人生を見返す事もできる。
全てが自分勝手なボクの思いです。
ここには奈美様の御意向も思いも入っていません。
卑屈な自分を変える為のボクの独り善がりの願い。
うじうじ悩んでいた自分を捨てたかった。
マゾとして奈美様のお側でお仕えしたかった。
女性として奈美様をお慕いしたかった。
それが正直な気持ちでした。



《何度も言ってるでしょ?ペニス様を見習えと。》

自分自身でさえ制御の効かない醜い体の一部。
どんな状況に追い込まれても…
どんな御調教を授かりながらも勃起を止めないペニス。
奈美様の前で、脈打ちながら喜びを表現するペニス。
冷静に考えたら…。
ボクが呪い続けたこのペニスだけが…
奈美様の前で正直であり続けていたようにも考えられます。
正直に…正直に…
ボクは奈美様に対して正直だっただろうか?
ボクは、この醜いペニスのように正直に自分の気持ちを奈美様にぶつけていただろうか?



《奈美様のお側にいられればどんな立場でもかまいません!》
そんな気持ちが正直と言えるだろうか?
そんな気持ちでお仕えする事を、奈美様はお喜びになられるだろか?
見習い奴隷として調教してた人間に…
奴隷の奴隷でもかまわないと言われたら奈美様はどう思われるのか?

見習い奴隷として認めてくださった日。


《遊びではありませんわ!
私はサディストでなければ生きられないのです!》
とおっしゃいました。


奈美様の今までの御調教は真剣でした。
遊びなどでは決してありません。
そんな真剣に御調教を授けてくださる奈美様の前に跪くボクが…
どんな立場でもかまわないなどと言う事は…
逃げです。


決して美徳な控えめな気持ちではなく…
卑屈な逃げです。



奈美様が真剣に御調教してくださっているのに…
ボクは真剣ではありませんでした。



《おまえが今どのような立場にあるのか?》

ゴミ以下と罵られる立場。
夜が明ければ、犯罪者として警察に連行される立場。
自分の愚かさが招いた悲劇…喜劇かもしれません。
奴隷の奴隷になりたいなど言語道断。
奈美様はそんなボクを御覧になり、どんなにショックを受けられたろう…。


《私も女王失格ですわ》

とおっしゃられたお言葉が、それを物語っています。
奈美様を傷つけた罪はどんな犯罪よりも重罪。
ペニスを切り取られようが、牢屋で暮らそうが…
死刑でさえ半分も償える罪ではありません。
覚悟はできていました。
でも…でも…でも。



《おまえがこれから先どうしたいのか?
その為には何が必要なのか?
おまえの…一生の問題かもしれませんわ。
そのままの人生で良いのなら…
おまえはそれだけの人間です。よろしくて?》


これはどういう意味なのでしょうか?
ボクの一生の問題?
ボクに未来があるのでしょうか?
必要なものって?
人生?

最後のお言葉への答えが出てきません。
思い浮かぶのは自分に都合のいい願いだけ。
それは結果的に奈美様を侮辱する事にもなりかねず…。
上手に説明がつきません。
この扉が開いたら…。
奈美様は奴隷達を従えて…
アイマスクを着けたボクの前でのご奉仕が始まってしまいます。
ヒール置きにされた奴隷のペニスは、アイマスクのボクの前で…
誇らしげに勃起しているのに違いありません。
奴隷達の淫らな視線は容赦なく…
芸術美を超えた奈美様の裸体を犯すでしょう。
真ん中に跪く奴隷の舌は、奈美様を聖域を舐め回し…
下着に付いた聖蜜しか味わった事の無いボクの前で…
聖域から直接、甘美な蜜を口で吸い取るのです。
汚れた視線、汚れた舌に犯された奈美様は喜びの声をあげ…
女性として生まれた最大限の権利を生かし絶頂を迎えるかもしれません。
思えば思うほど…心は焦ります。
焦ると同時に、奴隷達への嫉妬、殺意も湧いてきました。
妄想は果てしなく…それに連動するかのようにペニスは固さを増しています。


どれくらいの時間が経過したかわかりませんが…
ペニスは相変わらず勃起したままです。
痛さを通り越し、痺れに近いものに変わりました。
感覚が徐々に薄れているようにも感じます。
もしかしたら…すでに壊疽が始まっているのでしょうか?


《奈美様!奈美様!》


防音が施された監禁室で、届くハズのないお名前を叫んでいました。


《奈美様!奈美様!》

叫びは反響する事も無く、お風呂場の壁に吸い込まれていきます。
体を揺すって抵抗を試みますが、非力な力ではビクともしません。
声は擦れ、抵抗する気力も失せ、力なく泣き崩れるだけになりました。
《扉を開けて欲しい…でも扉が開けば、奈美様のご奉仕が始まってしまう…。》
そんなジレンマがボクを苦しめました。
せめて耳を塞げたら…いえ!たとえ耳を塞いだとしても、ボクには耐えられません。

やがて気力も体力もすっかり疲れ果て、グッタリし始めた時。







監禁室の扉が開かれました。

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