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22歳 2月 vol8

『お伽噺』   『踵』

強調文

~お伽噺~

『どうなさったの?飲み込めないからお帰りになるのでしょ?身体に模様をつけてあげてよ!
何も言えないのかしら?お前の身体に、お洋服を刻んであげると言ってよ!
感謝の気持ちが言葉にできないの?
それとも…さようならも言わずに逃げてお帰りになる?』

『い、いえ…模様をつけていただき、ありがとうございます。』

ひれ伏しながら申し上げました。

『あら?飲み込めましたの?そう!ありがとうと言えるのね。その次の言葉は?
お帰りになる?次は…《さようなら》かしらね?ふふふ。』

『はい…言いません』

『そう…。』

奈美様は、土下座をしているボクの前にしゃがまれ、鞭を右手に持ちかえられ(奈美様は左利き)、左手でボクの顎を引き上げ…

『さようなら…言わないの?言えないの?』
幼児を諭すような甘い口調でおっしゃいました。

『はい…絶対に言えません…』

『ホントはね…今のうちに《さようなら》言った方がよろしくてよ?
私の奴隷になると…責め殺されちゃうかもしれなくてよ。』

『………。』


不思議なお話方なのです。
まるで、お伽話を聞かされるようなお話方なのです。
《殺されちゃう》という響きが…
あたかも、《浦島太郎が龍宮城へ連れて行って貰える》と同意味に感じられる響きなのです。
先程の鞭打ちの激しさと、180度別人のようなお話方。

顎に添えていただいた左手を離し、人差し指を1本立てられ、下を指差しながら…。

『正座なさい。』
そのまま美しい指に導かれながら、ボクは正座に姿勢を正しました。

『手を後ろに!』
御命令に従って手を後ろに回すと、壁のオブジェから枷を外しボクに装着されました。

『足をお開き。そう…そして、お尻を床に付けてお座り。』
正座をしたまま開脚すると…。
涎を垂らしているペニスが天井を向いています。

『そう…当然よね。お前が私にさようならなんて言える訳ないわよね。
そうなのでしょ?』


ボクの髪を掴んで立ち上がり、右のヒールの先でペニスを弄び…床に倒すと、ゆっくりと今度は左のヒールを、右のヒールで倒したペニスへ向かわせ…
体重を乗せて…

『ぐわぁーっ!は、はい…さようならなんて絶対に…言えません!』

『わかっているの。わかっていながら…お前を困らせるのよ。可愛がるの。よろしくて?』

『し、幸せです…。』

爪先で踏まれているペニスに全体重をかけられ、正座しているボクの頭に寄り掛かりながら、お伽話の続きをお話になりました。

『初めての調教で、ペニスを潰してくださいなんて言えるコだものね。将来は…ホントに潰してあげるわ。
お前には必要なくなるわよ。私の愛さえあれば、その他のくだらないものは必要なくてよ。』


ペニスの痛みとは裏腹に…脳がとろけそうほど甘美なお伽話に溺れてしまいそうです。




~踵~

ボクの髪を掴みながら、バランスを取りながらペニスを踏みつけてくださり…
寄りかかるようにしていた、右脚の脛の冷たい感触を肌に感じました。
やがて、ペニスへの踏み付けが軽くなり…御自分が下敷きにしていた醜肉を確認されると、今度は後ろ向きになり、左脚の踵でペニスを下敷きになさいます。

『ぎゃあ…あぁぁぁ』

その時の痛み…。
決して、ピンヒールを履かれていたのではないのですが…。
間違いなく潰れそうな痛みでした。
そう言えば、後々の話ですが…
ある、ピアッシング好きの御夫婦のパーティーに招かれた時。
このようなシュチュエーションの場面を見た事がありした。
その時の、奥様のピンヒール…。
踵がアイスピックでした…。

奈美様は…。
当時の流行のボディーコンシャスなビジネススーツに、身を包んでおられでした。

ボクは…。
後ろ向きの奈美様の、タイトなスカートの小さなお尻に頭をつけながら痛みを堪えていました。

お部屋の別の壁には…
大きめの姿見鏡が置いてあり…。
鏡の中には苦痛に身を歪めているボク…。
そして…。
例え鏡の中であろうと…
一緒に映っているのが失礼な程に、神々しい立ち姿の奈美が。

けれど…。
鏡の中の奈美様は、先程、ボクにお伽話を話されていた方とは別人でした。
優しさの欠けらも否定するように、鏡の中のボクを蔑みの瞳で見下ろしておいででした。
冷たい視線…。
憐れみもない、軽蔑にも似た視線…。
青みかかった色白のお顔で、気持ちの悪い生き物を見つめられております。

《そんな目で見ないでください…》

鏡の中の奈美様に、そう叫びたかったのですが…
出てくるのは痛みを耐える言葉にならない呻きと、吹き出る汗だったのです。
冷たい視線の奈美様の、氷のような唇が開くと…。

『痛いの?』

『がぁぁ…』

『痛いのかしら?』

ボクにそう尋ねる度に、右足を軽く上げ、左足の踵へ全体重を乗せられるもので、『はい』と返事がしたくても、断末魔の叫び声しか出せません。

『痛いの?』

『ぐぁぁぁぁー!』

『痛いの?』

何回か…何十回か忘れましたが、御質問を繰り返した後、これは本気で潰されると思い、思い切って…。

『痛いです!』
と、声を振り絞りました。

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