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22歳 3月 vol.3

『予告』



~予告~

『あまりお気になさらないでください。今のボクがあるのも、あの頃があったからなので…
お願いです』

『そう…何事も前向きに考えるのはおりこうさんね。』

『ありがとうございます。それよりも…奈美様がお考えになってらっしゃる事をお聞かせください』

『そうでしたわね。お話の続きね。ふっふ。』

奈美様がボクのおいたちについてお気にされているようでしたので、話題変ようとしました。
本音を言えば…奈美様が何をお考えになっておられるのか伺いたかったのです。



『ボーナス月はいつもより余分にお金を持ってらっしゃい!』

『はい!えっ…?』

『何に使うか理解できて?』

『あっ…いえ…わかりません。』

『お約束しましたわ。ショッピングです。おまえに似合いそうな下着を買いに行きましょう。』

信じられませんでした。
奈美様と御一緒にお買物ができるなんて。
しかも、ボクに似合いそうな下着を選んでくださるなんて。

『あ、あいがとう…ござひまふ。』

感涙で上手に話せませんでした。
が…その1分後には、驚きで凍りついてしまいたした。


『泣かずにお聞き。おまえの好きな事はなんでもすると言ったハズですわ。ふっふっ。徹底的にと。
おまえが嫌いになるまで続けますの。喜んでいられるのは今のウチです。
夏になったら水着も買いましょうね。それを着て海へも連れて行ってあげてよ。
女性物のお洋服を買って、いろいろな所へもお出かけしましょうね。
今、おまえの住んでいるお部屋のクローゼットの中…
仕事で使うスーツ以外の私服は全部捨てていただくわ。
全部、女の子のお洋服を揃えてゆきます。
女のコになりたいのでしたら、それくらいはいたしますわ。』

震えがきました。
奈美様がおっしゃる《徹底的》の意味を、理解した時は遅かったのです。
奈美様のサディストの一面をナメテいました。

一番最初の御調教の時に書いた調教日誌に…。
奈美様のお言い付けで、好きな事とやってみたい事を書かせていただきました。
《全部正直に書きなさい》と言う事でしたので、身の程をわきまえずに、ありとあらゆる変態行為を書いており…。
この一つ一つを全部御調教を授かるのかな?と不安がよぎりました。

(後に、本当に全部の行為を実行してゆくのですが…これは専属になってからのお話です。
今のペースで書き進めば、何年先になるやら。
このブログを訪問してくださる忍耐強いみなさん!
お許しくださいm(__)m)

奈美様のお言葉に、すっかり圧倒されていると…

『お返事がありませんわね?どうなさったの?今更、怖気づいたのかしら?』

『い、いえ…う、嬉しいです。ありがとうございます。』

本当は、少々怖気づいていたのは事実です。
でも、心とは裏腹に正直な身体は止めようもありません。
《徹底的》のお言葉で涎を流し続けるペニス。
ここは正直な身体に、自分の意志を任せてしまおうと安易に考えて飲み込もうとしました。

『ならば…武者奮い?いえ、おまえなら差し詰めマゾ奮いと言った所かしらね。ふっふっ!あはは!』

マゾ奮い…こんな言葉が存在する訳はないのですが…
調教を重ねた奴隷には、確かに存在する言葉です。
女王様、もしくは御主人様の御命令に、恐怖…期待感と言ってもいいでしょうか
得体の知れない興奮に震えた事があるハズです。
一般人には理解されない…
マゾ奮いは、ボク達のような人種には確実に存在します。

『何着くらい欲しいのかしら?おまえが望むだけ付き合ってあげてよ。』

『は、はい。1、2着で結構です。』

『あら?そんなものでよろしくて?ガッカリだわ。
おまえとできるだけ長い時間、ショッピングを楽しもうと思ってましたのに…
今度の調教は1時間で終了ですわね。』

『い、いえ…その…』

『なんですの?おまえの為を思って、たっぷり調教を済ませて…
その後にショッピングに出掛ける予定でしたのに…
1、2着でいいなら調教は必要ないわね。』

『いえ…本当はもっとたくさん欲しいです。』

『ならば何故ちゃんと言わないのです?』

『ごめんなさい。本当は…先程の奈美様のお話に、ほんの少し動揺してしまって…
それもあって1、2着と少なく言ってしまいました。申し訳ありません。』

再び受話器を持ちながら頭を下げると…

『おまえってコは…呆れるくらい正直ね。少しは嘘を覚えなさい。
ヘタな嘘でも騙されてあげると言いましたわ。
おまえの正直さは私を傷つけます。
もっとも…それが別の意味で、サディストの血を掻き立てますけどね。』

『申し訳ありません。』

『よろしくてよ。電話で調教するつもりはないわ。
6月になったら、おまえが満足するようにたくさんショッピングしましょう。』

『お手数をおかけして申し訳ありません。奈美様とショッピングに行けるなんて幸せです。よろしくお願いいたします。』

『そう。それでは、当日まで禁欲なさい!私も楽しみですわ。それでは、ごきげんよう!』

夢のようなお電話を切り、ベットに潜り込んでひとしきり感涙に咽びました。(怖さ?)
泣きながら眠ってしまったようです。
宿題を重ねたペニスは朝から涎を垂らして、薄い下着をベトベトにしています。
鍛えられた淫らな下半身は、もはや本来の持ち主の思い通りにはならず、新しい持ち主に忠誠を誓った別の生き物のように、卑しくボクの身体に存在しているの
です。

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