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22歳 3月 vol.6

覚醒



『ふう』

奈美様は深い溜息をつかれ…
ボクを相手にするのも、ほとほと疲れた感じでお話になります。

『何度目ですの?何回同じ過ちを繰り返すのかしら?何回注意をすれば、おまえには理解できて?』
土下座をしながら返す言葉がなく…。

『緊張なさい。油断してはいけません…何度となくおまえに言ってます…もう疲れましたわ。』

自分の腑甲斐なさに涙が零れます。
短い沈黙後…。

『おまえのお洋服は順番に処分いたします。おまえが望んだのですもの、文句は言わないわね?』

『はい…。』

『わかりました!下着は捨てますわ。これから、おまえがミスを犯す度に、一枚づつ処分いたします。最後まで何か着る物が残っていればいいですけれど…』

『はい…』

『でも、おまえには裸がとっても似合ってますもの。
ここから裸で帰るのは、おまえには逆に…ご褒美かしらね?ふっふ。』

『ミスを犯したら裸で帰ります。』

『覚悟があるのね?』

『はい!』

『よろしくてよ。恥ずかしくないように、鞭で全身に真っ赤な模様くらいつけてあげるわ。』

『ありがとうございます。』

深々と頭を下げると…。

『蓄奴!』

突然、奈美様の御命令がくだります。
奈美様の合図と共に、両手を前に出し、胸を床につけ、膝を立てて脚を大きく開き、お尻を突き出すポーズをいたしました。

『おまえの覚悟に免じて、今回のミスは許しましょう!でもね。反省は必要ですわ。
そのままの格好で、しばらくここで頭を冷やしなさい。よろしくて?』

『お許しをいただいて、ありがとうございます。奈美様のおっしゃる通り頭を冷やします。』

ボクの言葉を聞いて、奈美様はお部屋に戻られました。

ドアの外。
エレベーターホールの隅で、蓄奴の姿勢のまま頭を冷やしています。
大の男が…しかも全裸で…膝を立て、脚を広げお尻を突き出し…淫らなアナルまで曝け出し…。
じっと動かずに反省させていただいていました。
今、ここに、マンションの住人の方がお通りになれば、異様な格好の変態男は、ただちに警察行きは確実です。
けれど、この時のボクは…
恥ずかしい格好を見られようが、犯罪で捕まろうが、奈美様への反省やお詫びの気持ちの方がよっぽど大事でした。
言うなれば、人間としての常識などでは無く、マゾと言う呪われた(幸せな)生き物としての道を選択していたのです。


かなりの時間が過ぎていますが、奈美様のお許しはありません。
お部屋の中は物音すらせず、ボクの存在をお忘れになっているように感静まりかえっていました。
早朝にも関わらず、マンションのエレベーターの動く音がしています。
マゾとしての立場をわきまえておきながらも、その音が、最上階の8階に近づいているように感じられると、顔は赤面し、胸は高鳴ります。
頭の中は《もう完全に人間として終わりなんだ》と、漠然と考えていました。
ですが、正直な身体は喜びに震え、おそらくはお尻を突き出した床の下には、ペニスが垂れ流すおびただしい陰液の水溜まりができているに違いありません。
精神と身体が、完全にアンバランスです。


ここで…。
ボクの身体に、前回の御調教の時に感じた不思議な現象が起きました。

いわゆる…奈美様がおっしゃるところの、《覚醒(トランス)》と呼ばれる現象のようです。
恐怖や羞恥、快感と苦痛がアンバランスな状態で高まってくると、ボクの身体、脳、及び、全ての五感が研ぎ澄まされ、一種の覚醒が生じてくるようになります。
前回の御調教で、奈美様から授かった激しい鞭打ちと精神的な追込みによって、痛さを快感に転化させてしまった事実がありました。
医学的知識など全くありませんが、これこそが《覚醒(トランス)》だと思われます。
言葉では上手に説明がつかないのですが、ボクには間違いなく《覚醒》が起きました。
実際、《覚醒(トランス)》を感じた事がある人は、ボクだけでは無いかもしれません。


予めお断わりさせていただきますが…。
ボクの場合は、お相手がサディストの方なら誰にでも《覚醒》が起きる訳ではなく、奈美様と御一緒の時しか現われませんでした。
奴隷見習いとしての訓練期間を過ぎ、専属としてお仕えさせていただく頃には、漠然と《覚醒》を予期できるようになりました。
そして…最終的には《覚醒(トランス)》を自分の意志で《覚醒》を起こせる身体になるのです。
時には、その身体をいとおしく思い溺れてゆきました。
肉を裂くような鞭の嵐も…。
肌を貫通するような焼印も…。
真冬の海での水遊びも…。
全てを快感として受け入れてしまう身体に変化させる事ができてしまう。

時には、壮絶な悲劇も味わいました。
結局の所、《覚醒》を引き起こせる身体が、良かったのか悪かったのかわかりません。

奈美様との関係が、最終局面を迎えた時に、初めて理解できるようになるのです。
精神を病んだ時、悲劇を迎えるのです。

精神的な《覚醒(トランス)》は、確実に精神を破壊してゆくのです。

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