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22歳 4月 vol.11

詫び状
奈美様は振り返られ、テーブルにある紙とペンをおとりになり、ボクに差し出されました。

『こ、これは…』

一枚は白紙…。
そしてもう1枚は…《奴隷誓約書》
2月の奴隷候補の御調教を授かった時にいただいた…誓約書でした。
奈美様の御本名でお書きになられたの綺麗な署名文字と、ボクの震えながら書いた汚い署名文字。
奈美様が自らの小指を針で差し、捺印した血ぱん。
ボクのお尻に鞭打ちしてくださり、流れた血で捺印した誓約書。

『私とおまえが交わした、奴隷候補としての誓約書ですわ。』

『はい…。』

『既に不合格は申し渡しましたわね?』

『はい…』

『今から誓約書は破棄します。よろしくて?』

『……。』

お返事ができません。
せっかくの誓約書…。
ボクにとっては、何ものにも替えがたい宝物。

『よろしくて?と聞いていますの。』

『……。』

『時間の無駄ね。』

奈美様は誓約書を取り上げると、ボクの目の前でビリビリに破いてしまわれました。

『あっ…。』

嘆きの声をあげる間もなく破かれた紙を、大きめの灰皿に入れライターで火をつけられました。

『必要ありませんでしょ?おまえはこれからゴミ以下になるんですもの。』

天使のように微笑みながら…ボクの宝物を処分されました。


俗に言う…
Sの方を『悪魔』と表現されているSM誌やSM小説などがありますが…。
ボクの個人的見解で申し上げるなら…。
これは間違いだと思うのです。
むしろ、Sは『神』であり、Mが『悪魔』でないと成り立たないのです。
常識的に見ても、その図式が理想だと思います。
勿論、それは中身の問題でして…。
天使の皮を着た悪魔であり、悪魔の皮を着た天使と言う意味です。
悪魔の皮を着た悪魔や、天使の皮を着た天使もいる事はいますが…。
人間の1%に満たないだろうと思われるそういう方はSMを嗜みません(笑)
凶悪犯の類か、神に仕えておられる方々かもしれません。


燃える炎を茫然と見つめていました。
不思議と涙は出ず、ただ茫然と…宝物が消されていく冷たい炎を見つめていました。
灰皿の灰をペンで突きながら…

『すっきりしましたわ。私にとって一番邪魔な誓約書でしたのよ。』

《邪魔な誓約書》。
ボクの宝物は、奈美様の邪魔な物…。
《いくらなんでも…ひどいです…》
また、身体が震えはじめました…。
恐さじゃありません。
誓約書を邪魔な物と言われた怒りでもないのです。
自分の感情が破壊されたような、説明のつかない震えでした。

『また震え始めましたわね?ふっふ。』

『は、はい…。』

『恐いの?寒いの?どっち?』

『わ、わかりません。怖くもありませんし、寒くもありません。』

『まあ!ゴミらしいお返事だこと!ご自分の身体のこともわからないなんて!』

その時!
奈美様の瞳の奥が、何かをおっしゃっているような…
何かを訴えておられるような…。
ボクに都合のいい解釈をすれば…《可愛い》と言ってくださっているような…。
気のせいかもしれませんが…ふと感じたのです。

今度はボクにペンを渡し…。

『白紙の紙に、私に対する今までの無礼の詫びを書きなさい。
詫び状ですわ。それがないと先には進めなくてよ。』

『は、はい…。』

『私の奴隷達に対する詫びも、全て私に対する詫びとして書きなさい。よろしくて?
その詫びを償う為におまえに何ができるのか。その紙に書くのです。』

『はい。』

『私はお隣の部屋に行きます。奴隷達に先程のお食事の続きを与えてあげなければならないわ。
3匹の奴隷の1匹、1匹にタップリと聖液(愛液)を飲ませます。
ですから、おまえも時間を気にする事無く、ジックリと考えながら詫び状を書きなさい!』

奈美様をお待たせしながら詫び状を書くのは気が引けます。
だからと言って壁1枚隔てた部屋で、奈美様の愛される奴隷の皆さんへの食事…。
先程申し上げたように、奴隷の皆さんのお気持ちも理解しています。
彼らは奈美様によって選ばれたエリート奴隷の精鋭達。
一方のボクはゴミ同然。
一括りに《奴隷》と位置づけられても、その身分は天と地ほどの差があります。
エリート奴隷の皆さんにはエリートとしての立場もある訳で…
彼らにとっての聖液は、奈美様の愛であり…。
愛が無ければ決して生きられない専属としての宿命を背負っているのです。

『わ、わかりました。詫び状を書かせていたたぎます。』

『そう!』
なぜか…少し怒られているような口調で…

『タップリ時間をかけなさい!おまえの主人となる奴隷達も喜びますわ。
私も心置きなく聖液を与えられますわ!』

なぜお怒りになられているのかわからず…。

『はい!』
と答えて頭を下げて震えていました。

『おまえも知っている通りここの調教室は、この部屋のみならず、お隣の部屋、そのお隣、お風呂場、トイレ…
全てが完全な防音設備が施してありますの。
普段はクラブとしてのお部屋。
何人もの女王がお客としてやってくるマゾとプレイする場所。
つまり…お隣のプレイする声が聞こえないように防音されてますの。』

《そうだったのか…それで完璧な防音設備が必要だったのか…》
妙な関心をしながら奈美様のお話を伺います。

説明すると…
802と言われるお部屋は3室に別れており、それぞれにタイプが違うお部屋になっているのです。
お部屋の広さはほぼ同じで、据え置き式の責め具が置いてあっても…
長い一本鞭が楽々と振るえる程の広さです。
当時のクラブの施設としては最大級の施設でした。
たぶん今でもこれほどの施設無いでしょう。

もともと、クラブのママはサークルの創設者で…
(ママのご主人様もSの方で、後々大変にお世話になるのです。)
最初はクラブ経営の為ではなく、サークルの為にこのような設備をお造りになられたとか。
ただ…週に2回ほどのサークルの為だけに、施設を空けておくのも勿体なく思われ…
サークルのメンバーの勧めで、女王育成の目的も重なってクラブを経営するようになられたようです。
ネタバラしすれば、奈美様は、御本名の《レイ》ではなく、《奈美》としてサークルに参加なさり…
見習い女王としての道を歩まれたのです。

レイ様はクラブの従業員としてはプレイしておらず、ある種特別な英才教育を受けられたそうです。
その内容についてはここでは申し上げられませんが…かなり壮絶だったようです。
もともとSとしてしか生きられないと思っていたので、楽だったと御自身ではお話されていまが…。
このSMサークルのハードさは壮絶で…特にSの方は、かなりご苦労されたハズなのです。
あの御年令(まだ内緒です)で、サークルメンバーに一目置かれ…強いてはボクを一人前に育てくださり…。
ゆくゆくはサークルに限らず、SMをご理解くださる皆様の目標になられるのです。

ボクが奈美様の専属奴隷として、サークルメンバーにお披露目された時にクラブは事実上閉鎖。
奈美様は《奈美》の名を捨て、レイ様として御本名に生まれ変わられました。
レイ様は、ママのお薦めで803号室に住まいを移し、ボクは専属奴隷として通うようになります。
ママのご主人が、このマンションのオーナーでもあったので、比較的に安く借りられたそうです。(笑)

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